「どういう方法で小川から水を引いているの」
朝、畑の野菜たちの水やりを手伝っていたら、隣の畑の持ち主であるIさんが声をかけてきた。
「小さなポンプでくみ上げているんですよ」と答えると、「良い方法ですね」と感心された。
ポンプは家から延長コードで電源を引き、動かしている。
小川はきれいだし、水は自然のものだし。
時々、上流の田んぼに引いているせいか、小川の水量が少ないときもあり、そんな日は水やりに時間がかかるけど、贅沢はいえない。
民宿が忙しい日は、僕が水やりを一手に引き受ける。
午前5時半、あたりが明るくなった頃、僕は延長コードリールを延ばし、小川にポンプを浸し、コンセントを入れる。
ホースの先から勢いよく水が飛び出し、乾いた土をしめらせていく。
野菜や花たちは、生き生きしている。
そんな畑の野菜たちをみていると、本当はちょっと面倒で嫌な水やりも続けることができるからおかしなものだ。
女房も「おかげで、キュウリもトマトもほかの野菜も元気だわ。この夏の日照りに負けずに」と機嫌がいい。