「木登りとジャングルジムの違いを挙げてみて下さい」
にこやかな顔で、講師さんが、僕たち受講者に向かって、問いかけた。
「危険度が違う」
「木登りは汚れる、ジャングルジムは汚れない」
「木は生きているけど・・」
「木登りしていると、虫や鳥、それにコケなど植物など見つけられるよ」
「木は匂いもするし、肌ざわりも・・」
受講していた民宿の人たちからいろんな答えが返ってきた。
東京から来てくれたという講師さんが、みんなの意見をまとめるように話してくれた。
「ほかに、木登りには季節感がありますよね。ジャングルジムにはほとんどないですよね。つまり、多様性がある、ないということが言えます。木登りはひとつの例ですが、このように、自然体験はしなやかな感性、しなやかな身体を育みます」と。
近所の若手の民宿旅館経営者、M君が企画してくれた環境教育セミナー。
「人を育て育む力を自然は持っている」
「環境教育は持続的な社会を実現する市民を育てるため」
セミナーでは、それらを具体的な事例をあげながら教わった。
後、二日間と8月にも親子で自然体験も計画しているという。
一日目のこの夜は、受講者はちょっと少なかったけど、終わった時、前の方に座って聞いていたKさんが突然、大きな声で「お疲れでしたねえ。ありがとうございました」とお礼を言った。
隣の方でも「いい勉強になったね」とつぶやく声が聞こえた。