ほのぼの「木船」だより

2004年06月05日

ツバメ

 春になると、毎年ツバメが何組かやってきて、我が家のガレージに巣をつくる。
 そして、卵を産み、やがてヒナをかえすのだが、いつも無事に巣立ちするとは限らない。
 卵のうちに青大将(ヘビ)に食べられたり、丸々と太ってきたら、ほかの鳥やネコがねらう。

 先日、せっかくつくった巣が何者かに落とされた。

 でも、またすぐにつくり出した。

 が、場所が悪い。天井に2つある火災防止のための煙感知器の片方に、せっせと土まみれの草や木屑を運んで付けている。
 2,3日の間に感知器は土まみれにされ、えらいことになってきた。

 目の前に止まったツバメの夫婦に「そこだけはやめてくれ」と懇願しても、やめようとしない。
 釣竿を立てかけて、ささやかな抵抗をしてみせたら、なんということだ、今度はもう一方の煙感知器に巣作りをはじめた。

 そんな場所なので、うまくつくれないのか、小さな土の塊をあちこちに落とし、愛車は拭いても拭いても、次の朝には点々と泥が付いている。
 おいおい、糞の掃除だけで大変なのに。

 見かねた女房に「ほかに巣台をつくってやれば」といわれ、安全と思われる場所に結構立派な巣台を作ってやった。

 ところが、ツバメはそこは見向きもしない。
 「気に入られなかったようね」と女房はあっさり片付けるが、僕はそう簡単にはあきらめられない。

 大きな巣台を無視しつつ、ツバメ夫婦は、また元の巣の修復にかかっている。
 今度は落とされないよう、ちょっとした看板にも使えるような焼き杉で、その巣の下にも台を付けてやった。

 俺の苦労に感謝しろよ。
 
 無事に育って、巣立ちしろよ。